ある日、弊社オーナーにこれを取り上げて欲しいとのご要望があり、紹介するに至ります。
まさかこんな高級レンズを扱えるなんて…

50、0.95


Canon50mm F0.95は1961年8月に生まれたレンズです。

人間の目より4倍明るくドリームレンズと評され、今尚知る人の多い銘玉です。

同年9月に発売されたCanon7型専用の標準レンズとしてこの世に送り出されました。

1961年の公務員の大卒初任給が14,200円という時代にレンズ単体で57,000円

ボディと併せて86,000円と言うお値段で発売されました。

2019年の公務員大学院卒の初任給が213,000円なので、参考程度に今の価値に直すとレンズ単体で855,000円

ボディと併せて1,290,000円ってことになります。
※引用:国家公務員の初任給の変遷 昭和36年、平成31年の欄を参照
https://www.jinji.go.jp/kyuuyo/index_pdf/starting_salary.pdf

むっちゃ高いやん!!!!
でもその値段で当時買えた人がいたからこのレンズが今でもこうやって中古市場に流通してるんですから…新品で購入した方に感謝ですね。

フィルター径は72mm、重量は605g…でかすぎる…

さてそんな金額的にも大きさ的にも凄いレンズなのですが、こいつ少々欠点がございます。

なんとCanon7とCanon7sにしか付けられないのです。

これはどういうことかといいますと、Canon7と7sはLマウントのボディなのですが、Lマウントですとこの巨体に耐えられないと判断したのか、50/0.95専用の外爪バヨネットで付けるという特殊な機構を採用しております。なので、デフォルトだったらレンズ遊びするには苦労すると思います…

しかし、昨今Mマウントに改造されているレンズがそれなりに中古市場で流通しています。

勿論距離計連動するものもありますので、M型ライカに付けて楽しむ事も当然出来ます。

ただし、レンズ外すのが本当に一苦労です。もしボディから外す場合はDSのタッチペンのようなものを携帯することをお勧めします。(この発言で年代がバレますね…)

そんな超明るい50/0.95でしか撮れない世界をお見せしようと思います。

さて今回お借りしたレンズはこちら。↓


レンズの状態は文面的には最悪です。カイガラ、スレ、カビアト、コートイタミ。こんなの聞いたら正直買うの怖いですよね。私も怖いです。

ですが、当店に入ってきたすべての50/0.95ピントチェックしてきた方曰く、この個体が過去に入荷したレンズも含めて一番ピントが鋭いそうです。

正直私はこの個体しか使った事がないので比較対象がありませんからなんとも言えませんが…

少し前に他のハイスピードレンズを使ったのですが、そのレンズよりもピントのヤマが分かりやすかったです。

実用でこのレンズを欲しいと思っている方に是非ともお勧めしたいと思います。

前置きが長くなりましたが、試写してきた写真になります。
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ピントピーク…分かり易すぎません?拡大機能とか、ピーキングとかほぼ要らなかった位にはバシバシとピントが分かるし合う…0.95で撮ってるよな?と何回確認したか分かりません。
3枚目の写真は真ん中の道路標識にピントを合わせてるんですが…
DSC08708 (2)
これくらいハッキリと文字が読めるんであれば十分ではないでしょうか。
正直もう少し借りたい…もう少しこのレンズで写真を撮りたい…と思いますが、これにて返却。
次このレンズを使う時は買って使おう。お金貯めよう...
それでは、この辺で失礼します。